トップページ > 症例一覧 > 上下顎前突(口元が出ている)
『口元が出ているのが気になる』とお母様と来院されました。 上下の前歯が顔に対して極端に前に生えているために、口元が前に突出してかなり重症な上下顎前突と診断しました。
上は左右第一小臼歯を2本抜歯し、下は左右第二小臼歯を2本抜歯して前歯を下げるための隙間を確保して、透明な装置を付けて治療を開始しました。自分で取り外し可能なヘッドギヤーをご家庭で使用していただき、奥歯の関係を整えました。この時点で重症の上下顎前突であるため、小臼歯4本の抜歯だけでは前歯を十分に後ろに下げることが出来ないので、大臼歯の抜歯が必要である旨お伝えいたしました。
前歯を後ろに下げるための隙間が足りないので、上下の第一大臼歯を4本抜歯して隙間を確保しました。
治療終了後3年3ヶ月経過時です。治療期間は3年7ヶ月でした。治療終了後、歯の裏側には元の歯並びに戻らないように細いワイヤーの保定装置を装着して、3ヶ月に1回通院して定期検診を受けていただきました。経過観察後、きれいな歯並びが維持されていることを確認して保定装置を撤去しました。抜歯した大臼歯4本の代わりを親知らずにさせるために、親知らずをかみ合わせに参加させています。ですから、歯の数が少なくて困ることはありません。歯並びはきれいになり、口も閉じやすくなりました。口元が出ているのを気にしていた小学校6年生の少女は、キレイな女子大生となってアメリカへ留学して行きました。アメリカでも、かなりきれいな歯並びと言われているはずです。英語でなんと言われているのか、次回の来院時に聞いてみたいと思っています。
1. 最初は矯正装置による不快感、痛み等があります。数日~1週間で慣れることが多いです。
2. 治療中は、装置が付いているため歯が磨きにくくなり、むし歯や歯周病のリスクが高まりますので、丁寧に磨いたり、定期的なメインテナンスを受けることが重要です。
3. 歯を動かすことにより歯根が吸収して短くなることがあります。また、歯ぐきがやせて下がることがあります。
4. 治療中に顎関節症状が出ることがあります。