舌側からの矯正の場合、患者様の模型を一旦バラバラにして、完成形に並べ直し、それに装置をつけたものを患者様に装着します。
通常この作業は技工士さんに外注しますが、当院では院長梶井が自ら手作業で行っています。この「完成形の歯並び」は後戻りを考慮して、少し行き過ぎるぐらいに並べるのですが、その微妙具合を技工士さんに伝えるのは困難なのです。患者様の歯並びに多少の誤差も出さない様、装置一つにしても丁寧につくっていきます。
治療に際しては、スタッフ全員が毎回の処置の度に新しいゴム手袋を装着して診療しております。他の物に触れる際には、ビニール袋をかぶせています。
矯正歯科の中には、当院の治療費の半額程度の金額で舌側矯正をやっている所もあります。当然、当院での治療はそういった歯科よりも費用がかかりまが、毎回毎回の手袋交換でかかる費用を削ってまで、安い料金で矯正治療を提供しようとは考えていません。患者様のリスクを高めてしまうよりは、矯正治療の費用が高くなっても、「安全」を追求していきたいのです。
矯正装置をつけるとどうしても装置と歯の隙間に食べかすが残り、虫歯のリスクが高まります。
虫歯のリスクを減らすために、通院の際には染め出しをして、どこが磨けていないのかを患者様にも見てもらい、それを落としてもらうことで、ブラッシングに対する意識とテクニックを身につけてもらっています。その場合、ワイヤーをはずす手間も時間もかかりますが、患者様に歯を大切にしていただきたいのでこのような方法をとっています。正しい歯磨きの方法を身に着けることは一生の財産です。
矯正治療をして保定装置をつける段階に入ると、自分で取り外しができることと、銀色の針金が目立つために、患者様が装着してくれないことが何度もありました。そうすると、どうしても後戻りしてしまうのです。当院の保定装置には裏側に装着する取り外しのできない装置を使用しています。
「ボンデッド・リンガル・リテーナー」というものを装着することで、他人から見えることはありません。取り外しができないので、患者様の意思に関係なく、治療後の歯並びの質を維持することができます。
初診の段階から説明のための時間を十分に確保し、当院で治療を行った豊富な症例アルバムの中から患者さんの症状に類似した症例の治療経過をご覧いただき、矯正治療に関するご理解を深めていただくように努めております。
最先端の情報と考えられる限りの治療方針を平易な言葉や方法で提示して、それぞれの説明内容について十分なご理解をいただいた上で患者さんとご家族に治療に関する決定権を委ねております。毎回の診療後にも可能な限りの説明を心がけ、必要性に応じて治療方針の再説明やカルテの開示を行っております。
「装置を家でもきちんとつける」
「完璧な状態の歯列を作りたい!」「1日も早く、患者様から矯正装置を取り外し、美しい歯並びを手に入れてほしい」という気持ちを強く持っています。そのためには、取り外しのできる装置(ヘッドギア、チンキャップ、輪ゴム、取り外せる床装置など)を、1秒でも長く着けていただきたいのです。
そのためには、患者様ご自身で、毎日一定時間以上装着していただかなければなりません。患者様だって、面倒くさくなる時があるのは分かりますが、それでは完璧な歯並びから遠ざかってしまいます。こちらとしても、言うのは嫌なのですが、きちんと装着してもらえるように指導を徹底しています。