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受け口(反対咬合)の矯正治療後の後戻り

2016年9月14日(水)

前歯のかみ合わせが逆の歯並び(受け口/反対咬合)を小学生や中学生で治した後、
中学生や高校生になるころに治療前の逆のかみ合わせに戻ってしまう場合があります。
成人になってから、前歯のかみ合わせと口もとの見た目を気にされて再治療を希望される患者さんが時々来院されます。

この後戻りの最大の原因は、身長が大きく伸びたこと、つまり成長により下あごが大きくなったことによります。
上あごと下あごは活発に成長する時期が少し異なります。
赤ちゃんの顔を思い浮かべていただくと、どの子も丸い顔をしています。
生後7か月くらいから歯が生え始めて、2歳半頃に乳歯の歯並びが完成するとともに上下の歯を使ってかむことで、あごの周りの筋肉とあごの骨が成長して丸い顔が面長になってきます。
この成長は、脳に近い上あごが先に大きくなった後に、下あごが大きく成長するという原則に従います。

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下あごが大きく成長する時期は、思春期の成長期です。
身長が1年間に10㎝伸びると下あごは約6mm伸びることが知られています。
これはあくまで平均値ですから、これを大きく上回るほど下顎が伸びる患者さんも存在します。

下あごがどれくらい伸びたかにより、再治療の方法は2通りあります。
写真の治療例は下あごの伸びが極端に大きくなかったので、通常の歯を移動する矯正治療でかみ合わせと口もとの突出感を改善することができました。
下の奥歯(第一大臼歯)の根の先に膿がたまっていたので、この奥歯を左右各1本抜いて隙間を作ることにより下の前歯を後ろに下げました。
成人で装置が見えないように治療をご希望されたので、写真のように裏側に装置をつけて2年9か月間で歯再治療を行いました。

一方、下あごの伸びが大きくて上の前歯よりも下の前歯が前に出すぎている場合は、通常の矯正治療では再治療が不可能なために、矯正治療と手術を併用する外科的矯正治を受ける必要があります。
通常の矯正治療は健康保険が適用になりませんが、外科的矯正治療の場合は指定された医療機関で治療を受ける場合は健康保険が適用されます。

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再治療を希望される患者さんは、歯並びとかみ合わせのずれの程度、上あごと下あごのずれの程度や口もとの突出感をどれくらい改善したいかにより、治療法を選択することになります。

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