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2016年9月26日(月)
2010年に発表された日本小児歯科学会の全国規模の調査結果から、小学生10人に1人の割合で永久歯が1本以上生まれつき少ないことが分かりました。
赤ちゃんがお母さんのおなかの中にいる間から生まれて9か月くらいの間までに、永久歯のもとになる芽があごの骨の中でできてきます。
しかし、この芽が作られず永久歯があごの骨の中で育たないために、いつまでたっても永久歯が生えてこないことがあります。
これを永久歯の先天性欠如といいます。
先天性欠如の原因はよくわかっていません。
先天性欠如の部位で多いのが下の第二小臼歯(前から数えて5番目の永久歯)や下の側切歯(前から2番目の永久歯)です。
先天性欠如をそのままにしておくと、乳歯が抜けた後に永久歯の欠損している部位に隙間ができます。
この隙間に隣の歯が移動したり傾いたりするため、歯並びやかみ合わせが悪くなります。
歯の本数が左右で異なる場合、かみやすい正常な本数がそろっている側で食物をかむために、小学生や中学生または高校生などの成長期にあごの筋肉やあごの骨の成長に左右差が出ることが懸念されます。
このため顔が曲がったり歯並びやかみ合わせが大きくずれたりして、大人になった時に手術(外科的矯正治療)が必要になる場合があります。
外科的矯正治療はこちら
先天性欠如がわかった場合には、なるべく早めに長期的な治療計画を立てる必要があります。
将来予測される治療法としては、先天性欠如部だけに隙間が存在するように矯正治療で歯並びを整えます。
その後、身長の伸びが止まってから先天性欠如部位をブリッジやインプラントで補う方法があります。
あごの骨の成長がある時期にブリッジやインプラントによる治療をしてしまうと、この部位の成長を抑制してしまい、かえって残りの歯並びに悪い影響を及ぼします。
また、ブリッジやインプラントをせずに、矯正治療だけで先天性欠如の隙間を閉じることも可能です。
一般的な矯正治療は健康保険が適用されませんが、6本以上の先天性欠如には健康保険を適用して矯正治療を受けることができます。